PRODUCTION NOTE

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Route Irish Film Stills

コントラクターの実態を調査したラヴァーティの脚本

今回の映画でケン・ローチ監督が焦点を当てるのは、コントラクター(民間兵)と呼ばれるイラク戦争での兵士の存在である。主人公のファーガスと親友のフランキーはコントラクターとして戦争に参加していたという設定になっている。「海外の地から帰国の途についた兵士の遺体にまつわる式典は、我々もよく目にするもので、壮厳な音楽、国旗、エスコートと敬礼と、その様子は国家のメディアが詳細に記録する。しかし、同じように戦争に参加しながら、ファンファーレも、ユニオンジャックもない者もいる。その死はどんなリストにも掲載されることがない。それは彼が個人として契約したコントラクトーだったせいだ」と語るのは脚本家のポール・ラヴァーティだ。「戦争を突き進ませるには、彼らの力が不可欠だったはずだ」とラヴァーティは語る。そして、イラク議会が強引に通過させた指令第17号により、コントラクターたちのイラクでの行動は一切裁かれることなく、刑事処分を免れた。そんな社会背景が「ルート・アイリッシュ」でも物語の下敷きとなり、特にドラマの後半では重要な意味を持つことになる。また、戦争の後遺症に悩む元兵士たちをケアする慈善団体、「コンバット・ストレス」を取材することで、後遺症に悩む兵士たちの体験談も映画に取り入れている。

Route Irish Film Stills

ケン・ローチ監督が見つめるイラク戦争のもうひとつの真実

アカデミー作品賞を受賞した『ハート・ロッカー』、イラクでの息子の死を調査する父親を描いた『告発のとき』、イラク兵の戦場を見つめた『グリーン・ゾーン』など、過去にもイラクを舞台にした映画は数多く作られているが、ケン・ローチ監督は、この戦争をイギリス人の視点で見つめることで、これまでにない物語を創造する。「脚本家のポールがファーガスというキャラクターを作り、友人だったフランキーの死の謎解きを通じて、私たちは戦争をめぐる恐るべき犯罪の様々な要因に近づいていく。なぜなら、歴史は今も人々の人生や経験の中に生き続けているからだ。そういった人々の経験を探ることで、戦争の恐ろしさを見せたいと思った」とローチは語る。「この戦争の最大の犠牲者はイラク人であることも忘れてはいけないと思う。私はアメリカ人の兵士こそが最大の犠牲者であるかのような描き方をしたアメリカ映画にはうんざりしている。彼らだって苦しんできたが、イラク人の苦しみもけっして忘れるべきではない」

Route Irish Film Stills

役作りに語るマーク・ウォーマックとアンドレア・ロウ

今回の映画で主人公のファーガスを好演したマーク・ウォーマックは今回の役作りについて語る。「ローチ監督は多くのリサーチを役者に要求する。登場人物と共通点があるかもしれない人たちに会うように言われ、登場人物が属していた世界についての本も読む。そうすることで、いざその場面に放り込まれても、その人物を作りこむことができるようになる。また、演じる人物たちと長い時間をすごすことで、彼らと太い絆でつながるようになる。フランキー役のジョン・ビショップらと軍の野営キャンプに出かけ、気心が知れる関係が作れた」
また、ファーガス役に関しては「僕が出会った多くの戦闘ストレスを抱えた兵士たちのように、ファーガスは自己崩壊の途上にいる。イラクやアフガニスタンを見てきた後、どうやって妻や子供と買い物に行くことができるのか、悩む人もいる。中にはうまくやれる人もいるが、ほとんどの人がうまくできないでいるんだ」と語る。
一方、彼と惹かれあうレイチェル役のアンドレア・ロウは自身の役とファーガスについてこう分析する。「ファーガスは気分屋で、レイチェルも以前なら彼と一緒にがんばることができたのかもしれないわ。しかし、今の彼女はどこか彼と違っていて、ふたりの関係は実を結ばない。結局、フランキーは闇にとどまり、レイチェルに救われることを拒否して、ふたりはお互いを救うことができないのよ」。
また、初参加したケン・ローチ映画については、「過去の彼の映画を見ていて、俳優は即興ベースで演じているのかと思ったら、実際は違っていた。実はすばらしい台本があり、人物を掘り下げる段階で即興の要素が出てくるのよ。ケンの映画は人間の真実を描いていて、今回の映画は壊れてしまった人々を見つめた物語だと思うわ」とその印象を語っている。

コメント

戦争をネタに稼ぐ悪徳人どこにでもいそうな成金者。IMDBではまあまあいい評価をもらってる作品です。パワフルかつストレートの問いかける映画で好きです!主人公の壊れたキャラの魅力が見逃せないと思います。観ていてつらいシーンもあって、現実の世界でもこういうことがあるのかと思うと悲しくなります。人間のダークなところをよく表していると思います。泣くことも許さなく、観る者に余韻を与えず、ただ現実だけを直視したエンディングでなかなかの力作でした。色んな意味でこの映画をおすすめします!

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